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自転車に乗る ※2001年作成環境に優しい乗り物として人気のある自転車はドイツでも多くの人が利用しています。もちろん、単に移動の手段としてだけではなく、スポーツに、家族旅行に、と大活躍。そこで今回は「VERKEHRS WACHT(交通安全協会)」が発行している冊子を中心に、正しい自転車の乗り方、交通ルールなどをまとめてみました。 ・安全装備・購入時のチェックポイント・自転車の正しい乗り方・主な交通ルール・その他の交通標識安全装備自転車につける安全用部品 ※これら全てが必須項目です。
購入時のチェックポイント特に子供用の自転車を購入するときは操作が簡単か?子供に無理のない力で動かせるか?子供の体のサイズに合っているか?を親がチェックしてあげてください。
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☆ | 手放し運転は禁止。 |
☆ | 停車するとき意外は、ペダルに足をかけていなければならない。 |
☆ | 犬以外の動物を連れてはいけない |
☆ | 運転の妨げになる荷物を持ってはいけない。 |
☆ | 他の乗り物と連結してはいけない。(バイクや車につかまるなど) |
☆ | 7歳以下の子供は特別に子供用のいすを取り付けて乗せなければならない。(この時、運転者は16歳以上であること) |
〈練習〉
自転車の機能、装備を充実させることは安全な走行に欠かせませんが、子供達が、その自転車をきちんと乗りこなすにはやはり、「練習」が大切です。以下の点に注意して、練習させてあげましょう。
○乗車・発進 |
左右のどちらからも乗れるようにする。 | |
蛇行せずに一気に発進できるようにする。 | |
周囲が安全かどうかの確認をしてから発進する癖をつける。 |
○運転 |
まっすぐに走る。 | |
小さいカーブで左右どちらにも曲がれる。 | |
手合図のためにほんの短い間だけ、片手をハンドルから離す。 (手合図は歩行者や自動車の運転手などに、自分の意図を伝える唯一の手段なので大切。) |
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走行中に瞬時に周りを見る。 |
○ブレーキ=適時にブレーキをかける練習 |
ぬれた路面、砂地、アスファルト、などでは、特にブレーキが利きにくいので、止まるまで通常よりも長い距離を必要であることを認識させる。 | |
小さくカーブを切るときは、その手前でブレーキをかけ、速度を十分に落としておかないと滑って曲がりきれなくなるので、様々な状況で正しくブレーキがかけられるように練習させる。 | |
ブレーキをかける前に飛び降りてはいけないことをきちんと認識させる。 | |
○その他 |
自転車の正しいひき方 |
基本的な自転車操作がきちんとできるようになったら、いよいよ子供と一緒に公道を走って、実地練習しましょう。次のようなことを話し掛けて、交通ルールがしっかり身に付くように指導してあげてください。
◎何処を走ってよいか?
◎何処を走らなければいけないか?
◎何処を走ってはいけないか?
◎何処で 止まる・降りる・自転車をひくのか?
Achtung!! ・8歳未満の子供は自転車に乗るときも歩道を走らなければならない。 |
1.出発時=私有地から、公道に出るときの注意です。
○ | できるだけ車道の手前まで、自転車をひいていき、周りの状況(歩行者の有無、交通量など)を見極めてから、出発する。 |
○ | 周りを良く見る。特に後ろから来る自動車など。交通量が多いときは、慌てずに車の流れが切れるのを待つ。 |
○ | 縁石の歩道側で自転車に乗る。 |
○ | 走りだす前に手で合図する。 |
○ | いざ、走り出すときは素早く、ゆっくりだと自転車が蛇行してかえって危険。 |
2.車道
○ | 一番右側を走る。(走行車線内でも、自転車道でも同様) どうしても必要なときは、左側から抜く。 |
○ | 2台以上で走るときは、できるだけ1列縦隊する。 (このときの安全車間距離は自転車の長さの約3倍) |
3.通り抜け/追い越し
止まっている車の横を走り抜けたり、ゆっくり走っている車を追い越すときは、十分な距離をあける。
※駐車したばかりの車は特に注意(自転車道の左側に止まった車も同様)する。突然車のドアが開いて、降車する人が出てくるかもしれません。
@見回す。
A手で合図する。
B車線変更する。対向車に注意し、もし安心でないときは一時停車する。
C少なくとも1m以上の距離をあけて、走り抜ける。
D手で合図し、元の右側に戻る。
4.歩行者と自転車
《横断歩道》 歩行者優先ですから、横断しようとする人がいれば手前で止まらなければなりません。 あらためて発進するとき、横に自動車が並んでいたら特に注意しましょう。運転手と目で合図、確認しあってから発進しましょう。 |
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《路面電車およびバスの停留所》 路面電車は道路の中央を走ることが多いので、自転車および車の運転手は、停留所で路面電車が停車した時は、乗降者の邪魔にならないように、その後方で自転車または車を停車し乗客の乗降が完了するのを待たなければなりません。 |
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《歩道》 歩道上を自転車で走行することは禁止されています。ただし、10歳未満の子供は例外です。(※上記Achtung!! 参照) どうしても通行しなければならない場合は自転車から降りて、ひいて通ります。 |
5.矢印および路面標示
矢印は進行方向をあわしているので、これに従わなければなりません。工事現場や、安全地帯では特にきちんとこれにしたがって通り抜けましょう。
側道標示線 |
自転車は この区域内の右側を走ります。この線は、保護線とも呼ばれています。 |
停止線 |
一旦停止や、待機の標識とともにあります。ここでは、必ず止まらなければなりません。 |
矢印標示 |
路面の矢印は、早めの車線変更を促しています。矢印とともに、車線境界線で、次の交差点での進行方向が決められてしまうので、車線境界線が点線のうちに車線変更をしなければなりません。 |
6.工事現場とその他狭められた道路
臨時的に道幅を狭められているものの交通量は従来と変わらないので、危険度が増します。
特に自分の進行方向側の道路が工事現場のときは、対向車が優先なので、特に注意が必要です。決して対向車の通行を妨げてはいけません。安全を確認して、停車中の車の横を通り抜けるのと同じ要領で素早く通り抜けましょう。
前方の道幅が狭くなっているので注意。 |
右の標識は対向車に優先権、左の標識は自分の方に優先権があるということ。 |
7.一方通行
ここでは、矢印の方向にしか走れません。 自転車をひいて歩いても、車道を逆方向に行ってはなりません。歩行者を妨げることのないように、歩道をひいて進みましょう。 |
8.優先通行
〈右側優先〉
交差点または合流点で特に優先標示がなければ「Rechts vor
Links(右側優先)」の原則に従います。右から走ってきた車が優先、これは自転車をはじめ、全ての乗り物に共通の原則です。ですが、このルールが適用されている交差点および合流点は比較的交通量の少ない地点だけなので、逆にこのルールに注意を払わない運転者がいます。ですから、自分が右側であっても、このルールを守らない運転者がいたら、とっさに止まるなどの対応ができるように気をつけなければなりません。
見通しの悪い、また危険な交差点や合流地点には、左のような標識があります。この標式のある交差点で両側からそれぞれ2台の自動車が走り抜けようとしたとき、主道路にいる自転車より、先に走り抜けられるのは右側から走ってきた自動車だけです。 これは簡単な事例ですが、たまたま交差点に各方向から車がきて、それぞれに右左折したかったりすると大変複雑になりますから、注意しましょう。 |
※ちなみに畑や森林の中の道から、一般車道に出ようとするときはこの「右優先」のルールは適用されません。左右の安全を確かめてから車道に出るようにしましょう。
9.左折
多くの操作、行動を同時にまたは素早く行わなければならないため、特に左折は難しく、交通量の多いところでは迂回するほうが安全な場合がままあります。以下は3通りある左折の方法です。
○ |
交差点(または合流地点)の手前で自転車を降り、歩行者と同様に両方の横断歩道を自転車をひいて渡る。その後、車道の右端から再び自転車に乗って走る。 |
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○ |
自転車に乗ったまま車道のみ右端を直進して横断する。渡りきったところで自転車を降り、歩行者と同様に自転車をひいて左側へ横断する。その後、車道の右端から再び自転車に乗って走る。 |
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○ |
交通量が少なく、運転に自身があるときは自転車を降りずに左折する方法もある。このときは以下の動作が素早くきちんと行われなければならない。
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10.右折
右折は左折よりも簡単ですがもちろん注意を怠ってはいけません。
適時な手合図であなたが右折しようとしていることを表現しましょう。特に横断してくる歩行者に注意しなくてはなりません。もし、横断してくる歩行者がいれば一時停車して、先に横断させてから右折して走りましょう。
トラックの運転席からは乗用車よりも右側および右後方の視界が悪くなっています。ですからトラックの右側を走るのは大変危険です。距離を十分にとってトラックの後方を走りましょう。
トラックの右折時は車幅以上を必要としますので、左に少しふくらむ形でで大きくカーブします。この時右側に一見空間が出来た形となりますが、トラックの右後輪は前輪よりもずっと右よりを通ることになるので絶対にこの空間に乗り入れてはなりません。
11.死角
右図のピンク色に塗られている部分は「死角(toten Winkeln)」と呼ばれ、車の運転手の視野からも外れてしまう、または確認しにくい場所です。車と平行して走行する場合は、充分に気をつけてください。 |
12.交差点での「標識と信号」
多くの交差点では交通標識や、信号でその走行順が決められています。このときは、「右側優先」の原則ではなく、信号および、標識に従います。
〈標識〉
主要道路や通り抜け道路で、長い距離自分の走っている道路が優先の場合にこの標識があります。 |
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次にくる交差点および合流点では、自分の走っている道路が優先ということです。 |
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逆三角形の標識は自分のいる道路は優先権を持たないという標示です。 |
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優先道路の終わりの標示です。したがって、この標識の次にくる交差点および合流点には、反対車線が優先権を持っている標識または一旦停止の標示があります。 |
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交差点手前にこの標識がある時は必ず停止線の所で停車し、足を道路に着地させるか、または一旦自転車から降りて、左右の安全を確認しなければなりません。 |
〈信号〉
「緑」・・・「通行が許可される」という意味。ですからたとえ信号が緑であっても交差点内にまだ車がいれば待たねばなりません。 |
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「緑の矢印」・・・矢印の方向に進む車だけが通行可能です。 |
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「自転車にだけ有効な信号」・・・信号灯に自転車のシンボルが付いています。特に専用の信号がなく、自転車道が歩行者道と区切られているときは、歩行者用の信号を見ましょう。 |
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「黄」・・・「交差点の手前で、次に標示される信号を待つ」という意味。したがって「停車」です。すでに交差点内に入ってしまっている車に対しては、「交差点内を速やかに空ける」と意味になります。他の車よりも走行速度の遅い自転車にとっては「黄信号」は常に「止まれ」を意味しています。 |
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「赤」・・・「止まれ」白い停止線の手前に止まります。 |
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「赤→黄」・・・すぐに緑になるので、「発進準備」を促しているものです。自転車も同様です。ただし、この時右折したければ、歩行者が車道を横断し終わるまで待たなければなりません。 |
〈警察官の手信号〉
信号機の故障や、事故現場など、警察官が合図を出して交通整理をしているときがあります。
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例外的に警察官以外がこの指示をすることがあります。例えば消防官、憲兵隊員、 赤十字救急隊員、通学指導生徒、建設作業員、事故処理隊員などです。
13.踏み切りでの信号と標識
踏み切りにも信号および標識があります。
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遮断機のない踏み切りの標識 |
遮断機のある踏み切り | |
「赤の点滅」・・・「待て」の合図です。降りている(降りてくる)遮断機の手前で停車します。 |
14.定期点検
特に異常がなくても年に一回は定期点検しましょう。
特に問題がなければ一日で終わります。費用の目安は約30Euroです。冬の間、地下の片隅に置かれていた自転車、定期点検を済ませて、さあ、出発です。
15.Bussgeld(罰金)
自転車での走行時に課せられる罰金の一覧表です。
正しいルールを身につけてこれらの違反で大事なお小遣いを減らすことのないようにしましょう。
違反項目 | 金額(Euro) |
保護区域標示線内の走行義務 |
10 |
左折時の右側走行(自動車と同じルールに従って直接左折する場合) | 10 |
左折時の降車(2度の横断で左折する場合) | 10 |
照明灯の機能 | 10 |
歩行者専用道路の通行禁止 | 10 |
歩行者および自転車共用道路での歩行者への配慮 | 10 |
装備規定(ベル、照明灯) 妨害があったとされるたびに 危険行為と認められるたびに 器物破損のたびに |
20 25 15 |
一方通行路の走行方向 | 15 |
許可されていない方向への走行を含む自転車道の走行義務違反 妨害があったとされるたびに 危険行為と認められるたびに 器物破損のたびに |
15 20 25 30 |
自転車走行中の携帯電話の使用 | 15 |
16.ヘルメット
自転車に乗るときは、必ずヘルメットをつけましょう。
○額、こめかみ、後頭部をしっかり保護してくれること。
○ヘルメットが、耳を覆ってしまったり、視界を狭めたりしていないかチェック。
○ちょうど良い大きさのものを選ばないと、ずり落ちたりして、かえって危険。
○通気性の良いもの。
○清潔に保つ。
これらに注意してください。また、硬い素材であっても、その重量が300gを超えないもの、検査印のあるものを選びましょう。
光る染料、素材を使ってあるものもよいでしょう。
※親が子供を自転車の後ろに同乗させる時も、必ず子供にはヘルメットをつけてください。
Radweg(自転車専用道路) 自転車専用道路が設けてある場合は、そこを利用しなければなりません。自転車専用の信号機が設置されている場合がありますので、注意してください。 |
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Radweg/Fussgaenger(自転車/歩行者) この標識は、自転車と歩行者は同じ道を利用するということです。 |
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Spielstrasse(遊び場) 子供たちが遊んでも良い道路です。自転車、車の進入は認められていますが、運転手は周りに特に注意を払いながら、ゆっくりと通り抜けてください。 |
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Fussgaengerverbot(歩行者通行禁止) | |
Radverbot(自転車通行禁止) |
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