アイルランド西部 〜自然を楽しむ〜 (2004)

 

ヨーロッパの西のはずれアイルランド、面積はさほど大きくはありませんが地形は変化に富み、特色ある文化が息づいています。一般に西へ向かうほど土地は痩せ、石だらけの土地となります。今回訪れたGalwayを中心としたコナー州は氷河によって地洋がもっとも荒々しく削られた地方で、付近には200mの断崖絶壁が8Kmに渡って大西洋に突き出たCliffs of Moher(モーハの断崖)や、不思議な世界に迷い込んだかのようなどこまでも続く石灰岩の丘陵地帯The Burren(バレン高原)、息を呑む美しさ湖水地方のConnemara National Park(コネマラ国立公園)など見所が詰まっています。
今回はデュッセルドルフの北1時間のWeeze空港から大西洋岸に面したSchanonへ飛び、レンタカーで5日間の小旅行を楽しみました。


コネマラ国立公園近くの町コングのSchlosshotel

<アラン諸島の島Inis Mor>
Galway湾に浮かぶアランセーターで有名なアラン諸島はケルト文化の最も色濃く残る石でできた島々です。最も大きな島Inis Morには、90mの断崖を囲むように2000年前の砦Dun Aonghasa(ドン・エンガス)があります。90mの断崖に向かい匍匐前進、頭だけを断崖から出し下を覗き込みます。恐々ながらほとんどの観光客がチャレンジします。目の前に広がる大西洋、後ろに構える石を積み上げたケルト人の砦。自然の雄大さ、歴史の重さを感じる瞬間です。
石でできた島には2000年以上前から人々は生活していました。現在、島には牧草地として利用されている緑の土地がパッチワークのようにありますがもともと石のみの島、緑の土地を手に入れるためには住人の大変な苦労があったようです。土地を石で囲み、その中へ石の間から集めたわずかな土埃を置き海からは海草を集め上に置きやがって苔が生え草が生えるまでその作業を繰り返しようやく現在のわずかな緑の土地がうまれたそうです。海で囲まれた島、海の幸は豊富ですが石でできた島の港は危険が多く、また一昔前まで船には帆も無く手こきの簡単な船で大西洋に男達は漁に出かけていたそうです。アランセーターは寒さから身を守るのはもちろんですが、遭難し海で命を落とした家族の身元がすぐわかるよう家々に伝わる編模様で女達は編んでいたそうです。
島でのお勧めはサイクリング。船着場から砦まで途中写真撮影、修道院跡など見学しても約1時間、行きは海よりの道、帰りは丘の上を通ると変化にとんで楽しい。自転車は船着場付近で借りることができます。自転車が苦手な人には馬車、マイクロバスなどもあります。Inis MorほかInis Meain、Inis Oirr島への船の情報は下記で:
www.aranislandferries.com
www.queenofaran2.com
www.doolinferries.com


典型的な島の民家


90mの断崖Dun Aonghasa

 

Tip1: アイルランド島には540万人、北アイルランドを除くと390万人の人々が住んでいるが、人種的にはローマ以前にヨーロッパ全域に勢力を広げたケルト人の血が濃いと言われています。ローマ帝国の影響をヨーロッパで唯一ほとんど受けなかったアイルランドは、他のヨーロッパ諸国とは随分違った文化を持っています。アイルランドの第一公用語は実は英語ではなくアイリッシュとも呼ばれるケルト人の言葉ゲール語、西部のコナー州では看板、道路標識ほとんどゲール語で書かれています(その他の地方は英語との2重表記がほとんど)。でもご心配なく、英語はどこでも通じます。また国の人口390万人に対し海外特にアメリカで暮らすアイルランド系人口はその10倍とも言われています。カトリックの国、子だくさんの国アイルランドと言われるゆえんでもあります。

Tip2: 2004年の春からアイルランドでは公共の場での喫煙が全面禁止。
パブのご主人の話・・・他の国の人たちはこの法律ができたとき「酒好きの国、アイリッシュパブで有名な国、アイルランド。禁煙政策は失敗するだろう。」と口をそろえて言った。でも1年たって飲み屋、レストラン、駅など全ての公共の場の空気が見事に綺麗になった。大成功だ。パブのお客はやや少なくなったけど・・・。
レストラン、パブの玄関先ではタバコをすうお客をよく見かけます。タバコを吸わない人、子連れの家族には嬉しい措置です。罰金は最高3000ユーロ、注意が必要です。

Tip3: 清流の流れるところ美味しい酒あり。
ウイスキー:アイルランドはウイスキー発祥の地でもあります。ケルト語のusquebaugh(生命の水)が英語でwhiskybaeになり、whiskeyとなった(イギリスではwhisky)。もともと香水を作るための蒸留法を参考に、アイルランドの修道層がウイスキー作りを発明スコットランドに広まったと言われます。Jameson(ジェイムソン)、Bushmills(ブッシュミルス)が有名。
ビール:ダブリンで生産されているGuinnessはスタウトと呼ばれる黒ビール、細かい泡が特徴。輸出もされ世界各地でもちろん日本でも飲むことができます。そのほかにもスタウトではBeamish、Murphy's、エールタイプではKilkenny、Smithwich、ラガータイプHarpなどがある。

Tip4:妖精と虹
敬虔なクリスチャンの国ながらアイルランドでは妖精にまつわる話がたくさんあります。また輪廻を信じる人もいます。「妖精注意(Leprechaun Crossing!)」の道路標識が田舎にたっていたり、パブの主人の話ではLeprechaun(レプラホーン:妖精たちの靴屋で赤い服に三角帽子をつけている)は虹の根元に姿を見せると。確かにシャワーの多いアイルランドではよく虹が出ます。